診療方針にこだわって、SNSで情報発信

なかい耳鼻咽喉科院長 中井茂(2010/10 開業)

診療方針は、受診された全ての患者さんに当院を選んで良かったと満足していただけることを目標に策定しました。子どもさんが安心して十分な診察を受けることができ、保護者の方々が診療内容に期待以上の満足ができること、そして全ての患者さんに耳鼻咽喉科の専門性を高度に発揮することには特に留意してきました。患者さんの訴えを良く伺って診察を行い平易な言葉で理解しやすい説明を丁寧に行うことと、電子内視鏡などの機器を活用して患者さんには見えない耳・鼻・喉の所見をモニターで供覧して病状の説明に利用することは、当院のコンセプトとして開院時から常にこだわりを持って行っています。これらの画像は全てパソコンにファィリングしており瞬時に呼び出せることから病状の経時的変化を明確に示すことができ、受診患者さんの高い満足度につながっていると考えています。診察室は個室にしてプライバシーの保護にも十分留意しています。

開業場所の選定においては、地下鉄の駅に近く、コインパーキングがあり、患者さんのアクセスが良い場所、そして特に子どもさんの耳鼻咽喉科診療に力を入れたかったので、乳幼児の受診が見込める場所を重視しました。交通アクセスの良いテナントは賃料を十分に考慮する必要がありますが、開業前の勤務先の患者さんも継続して受診してもらいやすい利点があります。自分が長く働き続けたいと思える地域であることも重要な要素と思います。開業場所が自分の生活圏であれば街の様子も良く分かっていて安心ですし、知人やその家族も受診してくれるのでクリニックの口コミの点で有利です。幼稚園や小学校が近くにあるとクリニックをより多くの方に知ってもらいやすくなります。これらの条件に合う、納得できる物件が見つかるまで、数多くのテナントを見学しました。

医療機器については、診療のコンセプトの根幹となるものは少し贅沢をしても機能的に満足できる機種を厳選し、必要性が本当に高いものだけを開業時に導入しました。機器の導入に際しては実際の診療の中でどのように利用できるのかを使用頻度と保険点数を含めて熟考すべきです。保険点数が高いと十分に活用できないこともあります。患者さんのニーズは地域によっても異なり、既存の他の地区のクリニックと同じではありません。診療を開始して初めて必要性に気が付く医療機器が出てきます。その都度導入して行けば失敗なく機器を有用に活用することができます。

集患対策としては、開業時に近隣の医療機関、幼稚園・保育園・小学校の保健室に挨拶に行きました。そして、クリニックの情報は開院前からホームページ、ブログ、フェイスブックで発信することにしました。発信する情報は、患者さんの目線に立った内容にするため必ず自分の家族に確認してもらっています。地区医師会の行事や、専門以外の勉強会にも参加すると地域の他科の先生とも知り合いなることができ、患者さんの紹介をスムースに行うことができます。耳鼻咽喉科疾患の講演会活動も年数回ではありますが、地域の方々や乳幼児さんの保護者を対象に開院時から継続して行っています。